
先輩、今アパート借りてんですけど、家賃の値上げの手紙が届いたんすよ。最近子どもが生まれたばっかでいろいろ金かかるのに、家賃が上がるのはつらいっす。。。
契約の内容にもよるけど、その値上げ、断れる可能性が高いよ


まじっすか!?どうやってやったらいいんですか?
一方的にやってくる家賃の値上げのお知らせ。

戸惑いますよね。驚いちゃいますよね。家賃は固定費なので、値上がると家計に大ダメージです。でも、
👨「家賃が上がるのは嫌だけど、住めなくなるのは嫌だから仕方ないよな」
👩「インフレで家賃も上がるのかしら?好きな物件だから大家さんとはうまくやっていかないと」
こんなふうに考えて、値上げを受け入れていませんか。
実は、家賃の値上げは断ることができます。
もちろん条件はありますが、ほとんどの場合、お断りすることが可能な場合が多いです。
この記事を読めば、家賃の値上げの値上げを断れる理由と、断り方が分かります。
賃貸に住んでいる方は必見の内容なので、ぜひ最後まで読んでくださいね。
・法律的に家を借りている人の力はかなり強い
・家賃の値上げは「お願い」。聞き入れなくてもOK。
・証拠が残る形で交渉していく
目次
1 家を借りている人は法律に守られている
1.1 家を借りるのは家を貸してくれる人との契約
家を借りる時、大体その家を借りる地域の不動産屋さんに行きますよね。そこで契約書を交わしているはずです。
契約書にはいろいろ書いてありますが、「家賃と期間」が明記されているはずです。
つまり家を借りた人と貸した人の間には
🧔♂️「家賃が9万円で、2年更新という条件でどうでしょうか」
🧔♂️「OKです。その条件でお願いします」
こんな契約が交わされているということです。
約束は守らなくてはいけません!小学生でも知っています。
契約した段階でお互いに家賃の金額に納得しているはずなので、一方的に家賃の値上げはすることができません。

逆に家賃を下げてくれ!と強制することもできません。家賃の値下げもお願いできますけどね!
1.2 借地借家法は家を借りている人にかなり有利な法律
あまり聞きなれない「借地借家法(しゃくちしゃっかほう)」。
簡単に言うと
✅借りている人(借主)の権利を保護して、安心して住んだり事業したりできるようにする
という法律。この法律、実は家を借りている人にかなり強い権限を与えている法律です。
家は生活の基盤。
👤「急で申し訳ないけど、今週中にこの家から出ていってくれ」
👤「家賃の値上げに応じないなら、この家からすぐ出ていけ!」
こんなこと言われたら生活するところがなくなって困ってしまいます。家を借りている人は、生活の基盤を失わないように法律に守られています。

家賃の値上がりを拒否しても、借地借家法があるから、追い出されたりすることはないんです。
2 家賃の値上げの知らせは「お願い」

家賃の金額は契約で決まっているので、値上げのお知らせというのは
👨🦰「あの〜以前に約束したんですけど、ちょっとあの約束の内容変更できませんかね?」
というお願いになります。なので、このお願いを聞くも聞かないもあなた次第です。
2.1 家を貸す側の事情(大家さんの事情)
約束(契約)の内容を変えたいということは、家を貸す側にも事情があります。以下の図を見てみましょう。

近年、物価高が叫ばれていますが、基本的に物価は上がっていくのが正常です。(週刊少年ジャンプが90円→290円になったように)
建物を維持するためにかかる費用も当然上がっているわけです。またアパートの固定資産税も大家さんの費用になるので、地価が上がれば固定資産税も上がります。そのことは借地借家法にも明記していあります。

大家さんが支払う費用もふえてきているので、その分を家賃に上乗せしたいわけです。

周りの土地・建物とのか価格の差がある場合も家賃の値上げは可能になります。ただし、🧔♂️「周りが値上げしたんでうちも便乗してあげよう」という可能性もあるので要確認です。
2.2 値上げのお知らせは急にやってくる
約束を変えたい時は、突然お願いすることが多いですよね?
🧔♂️「ごめんちょっと事情があって、今日の集合時刻2時間遅らせてもらえる?」 みたいな。
家賃の値上げのお願いを通知する時期は、法律で定められていません。
契約の更新時期でなくても、値上げの通知はいつでも出すことができます。

ほんと何の前触れもなく突然通知されて不安になったよ〜金額も大きく上がっていたから焦るよ〜。
3 証拠が残る形で交渉していく

3.1 メールでのやり取りが確実
家賃の値上げの通知が来たら、メールで返信をしましょう。
電子的な記録、メールであれば送った記録が確実に残るので、了承した、してないの揉め事になったときに、了承していない記録を残すことができます。

断ることはできますが、相手のあることなので、丁寧にお断りを入れましょう。
3.2 交渉がうまくいかないことは?

交渉がこじれて揉めるのは嫌ですよね。
最悪、裁判になる可能性もなくはないですが、可能性としては低いです。理由は以下の2点。
・裁判には時間もお金もかかり、家主的に効率的ではない。
・裁判をしたからといって、大幅な家賃の値上げが認められるとも限らない。
という感じ。家を貸している側からするとコスパがあまり良くないわけです。
3.3 それでもやっぱり裁判は怖い・・・
訴えられたら怖いですよね。私もそうです。人生訴えられないに越したことはありません。
参考までに過去の判例を見てみましょう。
東京高裁令和4年(2022年)4月27日判決
(令和3年(ネ)第5024号)
概要
- マンションの一室の賃料増額請求。
- 周辺相場がコロナ禍で一時的に下落したが、その後回復したことから、貸主が値上げを要求。
裁判所の判断
- コロナ禍の影響で一時的に相場が下がったのは事実だが、回復基調にある。
- ただし、急激な値上げは借主の生活に大きな影響を与える。
- 周辺相場の中央値に近い水準までの増額(約15%)が妥当と判断。
他にも判例はありますが、傾向としては
- 裁判所は昔から一貫して「相場・双方の事情を総合的に考える」。
- 一方的に大幅な増額はほとんど認めず、徐々に増額・妥当な範囲で調整する。
- 「借主保護」と「貸主の正当な利益」のバランスを重視。
という感じ。

裁判起こして長い時間とたくさんのお金をかけて15%の増額では、割りに合いませんね。
仮に裁判に持ち込まれたとしても、大幅な値上げが認められる可能性は低いです。
4 まとめ
- 家賃の値上げはお願い🙏 断ることが可能
- 家を借りている人は「借地借家法」に守られているため、簡単には退去させられない
- メールなど、電子的な記録が残る方法で交渉を進めることが大切
- 裁判になっても値上がるとは限らない、大幅な上昇が認められるとも限らない
家を借りている人は法律で強く守られてはいますが、家賃を上げられる条件があるのも事実です。インフレしているのに数十年も家賃を据え置きというのも難しいので、納得できる範囲で応じるのもありです。

相手があることですので、「法律で守られているから上げられないよーん、残念でしたー!」みたいな態度はやめましょう。あくまで「生活が苦しくなるので難しいです」のように謙虚な姿勢は大切かと思います。
読んでくださった方の参考になれば幸いです。以上、じろうでした!
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