
おーい、地震保険の更新の案内はがきが届いてるよ。
もうそんな時期か。この家も建てて5年経つんだな。


確かに早いねー。何も言わなかければ自動更新らしいよ。更新するんでしょ?
いや、更新するかは迷ってて・・・

私は5年前に新築で家を建てました。そのときに入ったのが「火災保険」と「地震保険」。地震保険は期間が5年間だったので更新を予告するはがきが届きました。ちなみに火災保険は10年契約です。
私はFPをしています。保険にはちょっと敏感なんです。人生で入るべき保険は3つしかないと思っています。火災保険は人生で入るべき保険の一つなので必ず加入しましょう。詳しくは以下の記事をご覧ください。
しかも、火災保険は加入して5年しかたっていないにも関わらず2度保険金をいただくことができました。とても役に立つ保険です。どう役立つかは以下の記事をご覧ください。
今回更新するか迷っているのは「地震保険」です。地震保険は火災保険に加入するときに、保険販売員にいっしょに勧められます。

日本は震災が多いですからね〜。阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震など、数年に一回は大きな被害が出る地震が来ます。入っておいたほうが安心ですよ!
しかし、私は「使ってない保険はなんかもったいないなあ」と思ってしまうのです。FPをするようになって、無駄な出費に敏感になってしまいました。
そこでこの記事では、今なんとなく地震保険に入っている方に向けて、地震保険とはどんな保険なのか、これからも入り続けるべき保険なのかを私なりの視点で考え、お伝えしたいと思います。

地震は怖いです。でも、FPとして、感覚だけで保険に入るのは違うな・・・と思っています。
ぜひ、私と同じように、地震保険をどうするか迷っている方が、次の更新を、自分で考えて決断し、きちんと乗り越えらえるようになってほしいと思います。
・地震保険は地震、津波、噴火など、地中のエネルギーによって引き起こされる災害を補償する保険
・地震保険は保険金が出づらい
・私は今後、地震保険には加入しない
目次
1 地震保険とは

地震保険とはどんな保険なのでしょうか。ポイントを簡単におさえておきましょう。
1.1 火災保険だけではだめなの?
火災保険では、地震の被害はほとんどの場合、補償されません。
地震保険が補償するのは、「地震」「津波」「噴火」などによる被害を補償します。
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地面の中のエネルギーがきっかけで起こる災害を補償すると覚えると分かりやすいです!
地震による火災が起きた場合、火災保険では補償はされません。地震保険で補償されます。ややこしい!

阪神淡路大震災で発生した火災は、地震で倒れた電気機器や家具の下敷きになった電気製品が、電力復旧時に再び作動したりショートしたりして発火したって言われているね。 うちはオール電化だから心配。
1.2 補償できる金額は?
地震保険は、火災保険に加入していないと入ることができません。地震保険は火災保険の30〜50%まで加入することができます。
例:火災保険で3000万円、保険をかけている→地震保険は上限1500万円までかけられる
建物は最大5,000万円、家財は最大1,000万円までと上限が定められています。

建物は年月が経つにつれて価値が下がるので、火災保険も地震保険もかけすぎないように気をつけないといけません。
1.3 保険料はどうやって決まる?
保険料が決まる要因は以下の4つです。
- 都道府県 → 地震の起きやすい地域は高い
- 建物の構造 → よく燃える木造の建物は高い
- 保険金額 → いくらかけるかによる(火災保険の50%が上限)
- 保険期間 → 5年が上限。1年単位でも入れる。

ちなみに、地震保険料が高い都道府県は、千葉県、東京都、神奈川県、静岡県です。前々から「南海トラフ地震が来るよー」と言われている海側の県ですね。
同じ都道府県内であれば、どこの保険会社で地震保険に入っても、保険料は変わりません。
1.4 どれくらい保険金はもらえるの?
壊れ方の大きさによって、もらえる金額が変わります。
保険会社の人が家の被害を見て、次の4つのどれかに当てはまるかを判断します
壊れ方 | 説明 | 保険金の割合 |
---|---|---|
全損 | ほとんど倒壊している | 100%もらえる |
大半損 | 半分近く壊れている | 60%もらえる |
小半損 | ちょっと大きめに壊れてる | 30%もらえる |
一部損 | ヒビが入った、家具が壊れた | 5%もらえる |
2 過去の2つの震災から地震保険を考える

過去の2つの震災、東日本大震災(2011年)と熊本地震(2016年)から、4つの損害区分がどれくらいの割合だったかを見てみましょう。
2.1 東日本大震災(2011年)
損害区分 | 割合 |
---|---|
全損 | 約5% |
半損 | 約24% |
一部損 | 約71% |
当時の地震保険制度では、損害区分は「全損」「半損」「一部損」の3区分でした。このデータは、財務省の「地震保険制度に関するプロジェクトチーム報告書(平成24年11月30日)」に基づいています。

地震と津波で多くの被害が出たけれど、全損は5%しかないのね。
2.2 熊本地震(2016年)
損害区分 | 割合(熊本県全体) |
---|---|
全損 | 4.1% |
半損 | 26.5% |
一部損 | 42.5% |
※出典:損害保険料率算出機構のデータを基に作成
割合を足しても100%にならないのは以下の理由が考えられます。
- 地震保険に加入していない住宅は対象外になっているから
- 損害なし(無被害)や判定不能のケースがある
- 調査に応じなかった家もある

熊本地震も大きな地震だったけど、やっぱり全損は4.1%しかないんだね。
3 耐震基準の移り変わりから地震保険を考える
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日本の耐震基準は大きく3段階で変化してきました。
1981年6月1日以前に建てられた建物は、「旧耐震基準」で、震度5程度の地震に耐えられることを目指した基準です。近年の大震災には耐えられない構造です。
1981年に建築基準の大改正が行われ、「震度6強〜7程度でも崩壊しない」が目標になり、「壊れても人命を守る設計」に変化しました。
2000年になり、地盤調査の義務化、接合部の強化など基準が厳しくなり、今に至っています。

能登半島地震で倒壊した住宅の多くは、旧耐震基準の木造住宅や2000年以前に建てられた建物でした。重い瓦屋根や構造的な弱点、地盤の問題なども共通点として挙げられます。
2000年以降に建てられた家であれば、多少壊れることはあっても「あっさり潰れる」ということはなさそうです。逆に2000年以前に建てられた家は、耐震補強をしていなければ損壊する可能性があります。古くなればなるほど、全損の確率は高まります。
家を建てた時期は確認すべきです。合わせて、ハザードマップの確認も必須です。これらを総合して、地震保険を加入するかどうかの判断しましょう。
4 地震保険は「家計とリスクのバランスで考える」
いくつかのデータをふまえ、私は地震保険の継続をしないことを決めました。理由は以下の4つです。
- 震度7を越える地震でも「一部損」の割合が多いこと
- 一部損の補償割合5%くらいの現金なら、貯金でなんとかなる
- 2019年に建てた家なので、建築基準は厳しいもので作られている
- 海沿いの家ではないので津波の心配はない
地震で家が壊れるのは「確率低・損失大」な出来事なので、本来なら保険で備えるべきことです。しかし、実際には東日本大震災や熊本地震の一部損の割合からも分かるように、地震保険の保険金は出にくいです。たくさんの保険金をかけても、手厚い補償は期待しづらいです。
地震保険は保険会社と国が共同で運営している保険です。地震保険の保険金は、「家を建て直す」ためのものではなく、「生活を立て直すためのつなぎの資金」です。「地震保険に入っていれば、大地震で家が壊れても新しく家を立て直せる!」と思っていた人は考えを改めてください。政府の広報にはっきり書いてあります👇

今保険に入っている人は、「一部損」だった場合、どれくらいの補償が受けられるか計算してみるといいです。意外に貯金でなんとかなる額かもしれませんよ!

私は建物1000万、家財150万の補償がついた地震保険に入っていました。5%の補償だと、約58万円です。これくらいなら貯金でなんとかなりそうだと思い、やめる判断材料の一つとしました。
また、我が家は比較的新しい家なので、耐震基準も最新のものが適用されています。一応耐震等級も取っています。もちろん、今後基準を遥かに上回る地震が起きないとも限りませんが、起きたことがないことを心配しても仕方ないので行政の基準を信じることにしました。

ローンも残っているので心配だけど、ハザードマップを見ても全損はしないだろうと予想したよ。
地震は確かに心配で、怖いです。私も家を建てたばかりのときは心配で加入をしましたが、いろいろ調べていくと「これって保険金、たいして出ないんじゃね?家計管理でなんとかなるかも!」と考えるようになりました。そして、更新することをやめました。
火災保険に入っていれば、途中から入ることもできるので、あまりにも不安になったら再加入するかもしれません、可能性は低いですが!賃貸の人は地震保険は不要です。家が壊れたら引っ越せばOKです。
我が家の「地震保険、更新しない!」を決めるまでの流れをお話しさせていただきました。「必要が不要か」を感情的に決めるのではなく、自分と家族の生活設計に合わせて、冷静に判断することが大切です。
読んでくださった方の参考になれば幸いです😄以上、2じろう6でした!
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